2010年 09月 01日
広井良典教授の著作 |
現在、独立行政法人科学技術振興機構(JST)が、全国の研究機関を対象に公募している「コミュニティで創る新しい高齢社会のデザイン」という研究開発に応募しています。「コミュニティ」という言葉は、手あかが付いた言葉の様に思えます。しかし、今、新たな再定義が始まっているのではと思います。
わたしの事務所で応募する段階で、出くわしたのが広井良典:千葉大学教授の著書で「コミュニティを問いなおす」や「グローバル定常型社会」などは、実に、明解な理論だった展開で、私たちの提案の背骨となった考え方です。
高齢化は、限界集落の問題など高齢化=過疎地と発想しがちですが、実は都市部の高齢化が極めて深刻で、高齢化=都市問題であると言えます。
当たり前です。戦後は、都市化の時代であり、圧倒的多数が都市に居住していますから、その割合で言えば、都市の高齢化は必然であり、問題はここからです。つまり、都市化は、自立した市民を創りだしたのではなく、「会社」というムラ社会を都市に創りだし、現在、現役が退職すると、そのムラ社会から出て行かざるをえなくなります。つまり、会社コミュニティから地域コミュニティへの転籍を余儀なくされる訳です。公園デビューというのが子育の大きな問題でしたが、これからは、退職した男性の地域デビューが問題となります。
しかも、都市において、将来老後の生活を支えるはずだった、資産としての戸だて住宅は、立地にもよりますが、維持が困難になり、資産価値は目減りし、あるいはゼロの住宅も少なくありません。このような状況で、新しい高齢者社会をどのようにデザインするかが、JSTが求めているものです。
広井教授は、福祉・高齢化の問題は都市問題であると喝破しています。
ぜひ、アクセスしてみてください。都市を都市計画専門家の目でみることは、片目を閉じて都市を見ている状況に思えます。
(佐藤俊郎)
わたしの事務所で応募する段階で、出くわしたのが広井良典:千葉大学教授の著書で「コミュニティを問いなおす」や「グローバル定常型社会」などは、実に、明解な理論だった展開で、私たちの提案の背骨となった考え方です。
高齢化は、限界集落の問題など高齢化=過疎地と発想しがちですが、実は都市部の高齢化が極めて深刻で、高齢化=都市問題であると言えます。
当たり前です。戦後は、都市化の時代であり、圧倒的多数が都市に居住していますから、その割合で言えば、都市の高齢化は必然であり、問題はここからです。つまり、都市化は、自立した市民を創りだしたのではなく、「会社」というムラ社会を都市に創りだし、現在、現役が退職すると、そのムラ社会から出て行かざるをえなくなります。つまり、会社コミュニティから地域コミュニティへの転籍を余儀なくされる訳です。公園デビューというのが子育の大きな問題でしたが、これからは、退職した男性の地域デビューが問題となります。
しかも、都市において、将来老後の生活を支えるはずだった、資産としての戸だて住宅は、立地にもよりますが、維持が困難になり、資産価値は目減りし、あるいはゼロの住宅も少なくありません。このような状況で、新しい高齢者社会をどのようにデザインするかが、JSTが求めているものです。
広井教授は、福祉・高齢化の問題は都市問題であると喝破しています。
ぜひ、アクセスしてみてください。都市を都市計画専門家の目でみることは、片目を閉じて都市を見ている状況に思えます。
(佐藤俊郎)
by kdkessay
| 2010-09-01 18:05